男女のすれ違いを“会話”で解決するヒント、見つけませんか?
「言わなくても察してほしい」
「いや、言ってくれなきゃ、わかるはずないでしょ?」
――このやりとり、心当たりありませんか?
恋人とのやりとりでイライラしたとき。
夫婦で言葉が足りずにすれ違ったとき。
職場で、異性の上司や同僚との会話がうまくいかず、モヤモヤしたとき。
実はこれ、「言葉の問題」ではなく、「考え方の違い」から来ているかもしれません。
五百田達成さんの『「察しない男」と「説明しない女」のモメない会話術』は、そんな男女のコミュニケーションギャップにやさしく、そしてユーモラスに切り込んでくれる一冊です。
男女の違いは「性格」じゃなく「文化の違い」
本書は、冒頭からこんな風に教えてくれます。
男と女は、もはや「異星人」同士。
同じ言葉を話しているつもりでも、伝わる中身はまるで違う。
たとえば、男性は「事実や結果を重視する傾向」があり、
女性は「気持ちやプロセスを大切にする」ことが多い。
この「感じ方のズレ」を理解せずに会話をすると、
お互いの言葉が通じないどころか、
「なんで怒ってるの?」「私、何か悪いこと言った?」と、不毛なすれ違いが起きてしまうのです。
「ひとくち会話フレーズ」で、すれ違いを解消!
本書の魅力は、理屈の説明だけにとどまりません。
恋愛、家庭、職場など、具体的なシーンごとに登場する37の「ひとくち男女語会話」がとても実践的。
たとえば――
- 彼が黙ってスマホをいじっている → 「疲れてる?」の一言で空気が変わる
- 奥さんがため息をついた → その瞬間に「大丈夫?」と声をかけるかが鍵
- 職場の女性に頼みごとをするとき → 「さすが頼りになる!」と前置きを添えるだけで、相手の反応がまるで違う
小さな言葉の工夫が、大きな信頼や安心感につながっていくことを、読んでいて実感できます。
「男らしさ」「女らしさ」に縛られない、新しい分類
ここで少し補足を。
この本で語られる「男語」「女語」は、必ずしも生物学的な性別とは一致しません。
つまり、女性でも「男語」の傾向が強い人はいますし、男性でも「女語」の感覚を持っている人もいます。
大切なのは、相手がどういう“コミュニケーション文化”で話しているのかを理解すること。
本書には「あなたは男語タイプ?女語タイプ?」を診断できるチェックリストもあり、
読みながら「だから自分はあのときムッとしたのか」と腑に落ちる瞬間がたくさんあります。
「伝える」より「伝わる」ことが大事
五百田さんが本書を通じて一貫して伝えているメッセージは、とてもシンプルです。
コミュニケーションは、理屈で勝つことが目的ではない
相手に“ちゃんと伝わる”ことが目的
だからこそ、「説明」だけでは足りないし、「察して」も伝わらない。
どちらが悪いわけでもなく、ただ文化が違うだけ。
その違いを理解し、ちょっとだけ“相手語”を話してみる勇気こそが、モメない会話の第一歩なのです。
読後には、不思議と会話が優しくなる
読後感として特筆すべきは、「気持ちがふわっと軽くなる」こと。
自分の伝え方にも、相手の受け止め方にも、少しだけ余裕を持てるようになるのです。
そしてふとした瞬間に、「あ、これ“異星人”だから仕方ないか」と笑えるようになる。
そのユーモアが、私たちの人間関係をずっとラクにしてくれるのだと感じました。
最後に──こんな方に、ぜひ手に取ってほしい
- パートナーとの会話にちょっと疲れている方
- 職場で異性との関係に悩む方
- 「どうしてわかってくれないの?」が口癖になっている方
- そして、自分自身の伝え方を見つめ直してみたい方
この本は、“説明”しすぎずに、“察して”くれる人ではなく、
「伝わる努力」をちょっとしてみよう、というきっかけをくれる一冊です。
あなたも今日から、ちょっとだけ“相手語”を話してみませんか?
それだけで、人間関係が驚くほどまろやかになるかもしれません。

「察しない男」と「説明しない女」のモメない会話術

「察しない男」と「説明しない女」のモメない会話術 ( 五百田達成の話し方シリーズ )
