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【最先端!】血液をつくる細胞の「寿命」をAIが予測?東大の最新研究とは

「自分の体の中で血液がどう作られているか、考えたことはありますか?」
「その“もと”となる細胞の寿命が、AIで予測できるとしたら──?」

まるでSFのような話に聞こえるかもしれません。
ですが、これはすでに東京大学の研究チームが実験に成功した、れっきとした科学の話です。

血液の元になる「造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)」の将来を、**人工知能(AI)**を使って“見抜く”というこの研究。
その成果は、難病治療や移植医療に大きな革命をもたらす可能性を秘めています。

この記事では、「AIが細胞の寿命を予測する」とはどういうことなのか。
難しい専門用語は避けつつ、私たちにとって何がすごいのかを、やさしくお伝えしていきます。


■造血幹細胞って、どんな細胞?

まず、「造血幹細胞」とはなんでしょうか?

これは、赤血球・白血球・血小板など、あらゆる血液細胞を生み出す“元”になる細胞です。
骨髄の中にあり、わたしたちの体の中で毎日血液をつくり続けています。

この細胞があるおかげで、ケガをしても出血が止まったり、免疫が働いてウイルスと戦ったりできるのです。

そして、白血病などの血液の病気では、この造血幹細胞を健康な人から移植する「造血幹細胞移植」という治療が行われます。


■でも、どの細胞が“元気で長持ち”かわからない

しかし、問題があります。
実は、提供された造血幹細胞がどれだけ長く・しっかり働くかは、見た目ではわからないのです。

「この細胞は質がいい」
「この細胞はすぐに能力が落ちるかもしれない」

こうした判断をするのは、とても難しい。
実際、移植後に期待通りの働きをしないケースもあり、安全で確実な細胞選びは医療現場の課題でした。


■東京大学がAIで“未来を予測”する技術を開発!

ここで登場するのが、人工知能=AIです。

東京大学の余語孝夫 助教山崎聡 教授らのチームは、
マウスの造血幹細胞を培養し、その変化を動画で記録しました。

そして、細胞の大きさや動きなど、時間とともに変化するパターンをAIに“深層学習”させたのです。

結果として、その細胞が将来どれだけ長く働けるかを、高い精度で予測できるモデルを作ることに成功。
これにより、元気で長持ちする「優秀な造血幹細胞」を、事前に選べる可能性が出てきたのです。


■細胞を“傷つけずに”診断できるってすごい!

これまでの品質チェックは、細胞の中を調べたり、薬品で染めたりと、
細胞にダメージを与える方法が主流でした。

しかし、今回の技術は「動画を見るだけ」で判断ができるため、
細胞を傷つけずに活用できるというメリットがあります。

そのまま治療や移植に使えるので、安全性が高まり、成功率も上がるかもしれません。


■未来の医療はどう変わる?

この技術が実用化されれば、以下のような展開が期待されます。

  • 移植治療の成功率が向上する
  • 副作用のリスクが減る
  • 医療のコストダウンにもつながる可能性

さらに、造血幹細胞だけでなく、他の再生医療用の細胞にも応用できるかもしれません。

たとえば、目や皮膚、神経などの再生に使われる細胞の選別にも、このAIが役立つ日がくるかもしれません。


■まだマウスの段階。でも人への応用に期待!

この研究は、現在マウスを使った段階です。
今後は、人間の造血幹細胞に対しても同じような予測ができるかどうかを、さらに検証していくことになります。

研究チームはすでに、ヒトの細胞にも応用する準備を進めているとのこと。

白血病などの難病治療において、治療前に成功の可能性を見極められる未来が、少しずつ近づいているのです。


■まとめ:AIが支える「見えない未来」を可視化する力

私たちの体を支える“血液”。
その“生まれる源”である造血幹細胞の未来を、AIが予測する時代が始まろうとしています。

これまで経験や直感に頼るしかなかった「細胞の見極め」が、
科学的・定量的に判断できるようになることで、医療はさらに一歩前進します。

「この細胞ならきっと働いてくれる」
そう確信して治療に臨める未来は、患者さんにとっても、医療従事者にとっても、かけがえのない希望です。

AIと医療の融合がもたらす可能性。
それは、命をつなぐ現場に、新しい光を届けてくれるかもしれません。