はじめに
投資の成功は誰にでも訪れるものではなく、特に「むちゃな」株式投資はそのリスクが顕著に表れます。
私自身、株式投資で2千万円を失った経験を持ち、その裏には多くの失敗が潜んでいます。
投資は成功すれば大きなリターンをもたらしますが、同時に慎重さを欠くと恐ろしい結果を招くこともあります。
私の体験を通じて、どのような過ちが起こり得るのかをお伝えし、皆様にとっての教訓とすることができれば幸いです。
一つの銘柄に恋する
最大の要因は、信用取引を利用して一つの銘柄に集中投資をしてしまったことです。
私が選んだのは、Speee (4499) という企業で、特にそのステーブルコインの発行と関連する技術が魅力的に映りました。
具体的には、Datachainとの共同開発によるプログラム技術や、暗号資産の安全性に関する情報が後押しとなりました。

ステーブルコインとは?
ステーブルコインとは、価値が安定していることを目指す暗号資産(仮想通貨)で、法定通貨と連動する性質を持ちます。
例えば、1ドルを基準にしたステーブルコインは、常に1ドルに相当する価値を保つことを目指しています。
このため、価格変動が少なく、電子決済手段として利用されます。
デジタル時代において、こうした通貨が一般的に利用されるようになると、従来の金融システムにも大きな影響を及ぼすと予想されます。
Speeeの株価が大幅下落したわけ
2024年の延期IRとその影響
2024年1月10日、私が注目していた、ステーブルコイン関連事業の開始が延期されるとのことでした。
このニュースは、市場に不安を呼び起こし、私の保有株の価値を大きく下落させる原因となりました。
事業の信頼性が損なわれることで、多くの投資家が不安を抱くのは当然のことです。
増資の発表
さらに、2025年1月14日にSpeeeが公募増資を決定したことも、株価に悪影響を及ぼしました。
増資発表により、発行済株数が増加し、結果的に株価が下落することが予測されました。
利益の希薄化が懸念されたため、多くの投資家が売りに出たのです。
増資は企業にとって資金調達の手段ではありますが、投資家にとっては大きなリスク要因となります。
インタビュー記事の影響
加えて、Speeeに関するインタビュー記事が誤解を招き、株価が急落しました。
社長が将来的な収益予想について発言した内容が誤解され、期待外れと判断されたため、多くのパニック売りが発生したと考えられます。
このような誤解が発生する背景には、投資家に十分な情報が提供されていない場合や、情報の解釈を誤る可能性があります。
失ったものと絶望感
私が保有していたSpeeeの株は、5400円で4000株でした。
この時、私の心には大きな期待がありました。
株式投資の世界で成功し、将来的な安定を約束できると信じていたのです。
しかし、現実はあまりにも厳しかったのです。
数字が示す現実
購入時の総額は次の通りです。
- 購入時の総額:
( 5400円 × 5000株 = 27,000,000円 )
そして、株価が2000円に下がったとき、私の現在の総額はこうなりました。
- 現在の総額:
( 2000円 × 5000株 = 10,000,000円 )
この時点で、私の損失額は次のようになります。
- 損失額:
( 21,600,000円 – 8,000,000円 = 17,000,000円 )
株価が2000円になった時には、私の損失はなんと、17,000,000円に達してしまいました。
資産の大部分を失ったという絶望感に包まれた私は、言葉を失いました。
この金額は、私にとって単なる数字ではありません。
夢や希望が崩れ去っていくのを、ただ目の前で見ているだけの、まるで悪夢のようでした。

家族にも言えなかった思い
投資について家族には話しませんでした。
家族を心配させたくなかったからです。
私は自分の選択を、秘密にしたつもりでしたが、内心は常に不安と恐れに苛まれていました。
膨大な損失を抱えてしまった今、当時の自分に「もっと慎重になるべきだった」と心の中で何度も思いました。
家族の前では、相変わらず明るく振る舞っていましたが、本当は心の底から絶望していました。
信じていた未来が崩れ去り、自分の選択がいかに危険なものであったのかを痛感していたのです。
私の選択は間違っていたと自分を追い込み、時間だけが過ぎていきました。
この損失は単なるお金の問題ではなく、将来の見通し、家族の安心、私自身の自信を打ち砕くものでした。
今振り返ると、もっとしっかりと現実を見て、より賢明に行動すべきだったと、痛恨の思いです。
他人には簡単に言える「リスクとリターン」を、深い失望の中で改めて学ぶ羽目になりました。
反省点
私の失敗から得た教訓は、以下の通りです。
これらの反省点は、今後の投資活動にも活かすべき重要なポイントです。
- 信用取引は原則使わない(慎重に使うのは否定しない)
- 信用取引は、資金をレバレッジ(てこ入れ)して資産を運用するための手法ですが、その分リスクも大きくなります。
- 資金が急激に減少する恐れがあるため、特に初心者は避けた方が賢明です。
- 実際、現物株での運用に比べ、担保の維持や利息の発生も考慮しなければなりません。
- 投資家として、まずは現物株の理解を深め、リスク管理を徹底しましょう。
- 現物株の重要性
- 現物株は、実際に企業の株を保有しているため、長期的な投資先としてより安定した選択肢となります。
- 市場の変動に対して短期的に過剰反応せず、企業のファンダメンタルズ(基本的な経済状況)を重視した投資を心掛ける必要があります。
- 投資は「待つこと」”も”重要です。焦らずじっくりと成長を見守る姿勢が、成功に繋がるでしょう。
- 投資のタイミングを見極める
- NISA(少額投資非課税制度)をはじめとする非課税口座を利用して、年末年始に慌てて購入するのではなく、銘柄ごとのタイミングや市場動向をしっかり確認することが重要です。
- また、企業の発表や市場環境を注視し、情報戦を行うことが大切です。
- 余裕を持って計画し、焦りを避けることで、より良い選択ができるでしょう。
投資におけるリスクとリターンの見直し
投資においては、「リスクとリターンはトレードオフの関係にある」という考え方が一般的です。
すなわち、高いリターンを得るためには高いリスクを取る必要があり、逆に低リスクであればリターンも低くなるということです。
しかし、これは必ずしも真実ではなく、リスクを極限まで抑えながらリターンを確保する投資手法も存在すると考えます。

「ハイリスク・ハイリターン」の誤解
「ハイリスク・ハイリターン」という言葉を耳にすることは多いですが、これは必ずしも理想的な投資スタイルではありません。
成功すれば莫大なリターンを得られますが、失敗すればすぐに資金を失う危険があります。
投資において重要なのは、「高いリターンを得るためにリスクを取る」のではなく、「リスクを抑えつつ、持続的にリターンを確保する」ことです。
この視点を持つことで、より安心して投資を続けられます。
「ゼロリスク・ローリターン」という選択肢
さらに、リスクをほぼ完全に排除しながら一定のリターンを確保する投資手法も存在します。
在庫リスクや価格変動リスクを持たず、「商い」に特化した企業の株は安定的に収益を得ることができる可能性が高いと考えます。
これらの企業は、景気変動の影響を受けにくく、投資対象としても安定性が高いです。
投資家としての視点
投資とは、「リスクを取らなければならないもの」ではなく、「いかにリスクを排除しつつ、リターンを確保するか」を考える営みだと思います。
短期的な利益を求めて投機的な取引に走るよりも、リスクを抑えながら着実に資産を増やしていく方法に注目すべきです。
その選択肢の一つとして、「ゼロリスク・ローリターン」という視点を持つことは、長期的な資産形成において極めて有効です。
市場にはさまざまな投資手法が存在しますが、慎重な投資判断のもと、確実なリターンを狙うことが成功への近道となるでしょう。
投資によって得られる成果は、単に利益だけでなく、失敗からの学びや経験も含まれます。
それらを通じて、自身の投資スタイルを磨き、より良い判断ができるようになるのです。
終わりに
資産形成には時間がかかります。
高いリターンを求めてハイリスクな投資に飛びつくことは危険です。
特に、いわゆる「一攫千金」を狙った投資は、安定した成長を夢見る投資家にとって、逆に大きなリスクとなります。
投資はマラソンであり、短距離走ではありません。
ゆっくりと確実に進むことが、結果的には大きな成果をもたらすのです。
私の失敗が、皆様の投資活動に少しでも貢献できれば幸いです。
今後の投資においては、しっかりとしたリスク管理を行いつつ、自身の知識を深め、情報収集を怠らないように勉強していきます。
そして、自身の投資スタイルを確立し、自分に合った方法で資産を増やしていく道を選択します。
これから投資を始める方や、既に行っている方にとって、私の経験が参考になればと思います。
成功を手に入れるためには、気を抜かず、地道に努力を続けることが最も重要です。
私の経験が皆様の投資ライフにおいて、少しでも役に立つことを願い、これで私の話を締めくくらせていただきます。
投資の道は厳しいこともありますが、しっかりとした理解と戦略を持って取り組むことで、明るい未来への一歩を踏み出すことができるでしょう。