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政治・経済

皆さんは投票に行っていますか⁉ ~「何が投票率を高めるのか」 松林 哲也 (著)~

はじめに

皆さんは投票に行っていますか⁉


今年の夏、日本で参議院選挙が行われるため、改めて私たちの投票行動について考える機会となります。投票率の低下が続く中、その解決策を探る本書は必読です。

この本がぴったりな人

  • 夏の参議院選挙に関心がある方

  • 投票率向上に関心がある方

  • 政治学や社会学を学んでいる学生

  • 社会問題について少しでも理解したい!と思う方


何が投票率を高めるのか (単行本) [ 松林 哲也 ]

主なポイント

本書は、具体的なデータに基づき、投票率を向上させるための要因を検証しています。

データに基づいて「どのような条件の下では投票率が何%ほど上がるだろう」といった数字で表現されています。

このように聞くと不安に思う人もいるかもしれないが、筆者は数字に慣れていない方への配慮も忘れずにされていました。

例えば、統計の考え方の詳細はコラムで補足し、本文を読み進める上では、式が分からなくても大丈夫なように配慮されています。

また、グラフに付けられたタイトルが分かりやすい点もかなりポイントが高い!

著者によって文献がまとめられており、以下のような面白い視点からの影響も考察されています。

  • 投票所の近さが投票参加に与える影響

  • 投票日や天候が投票率に及ぼす効果

  • 女性議員の増加が投票意欲を高める可能性

本のまとめ

全体として、著者は投票率を左右する様々な要因を掘り下げており、具体的な数値や実証データを用いて説得力のある議論を展開しています。

特に、主権者としての意識を持つことが重要であることを訴えています。

より細かく解説

本書は、松林哲也氏が投票率向上の要因を実証的に検証した一冊であり、全9章で構成されています。

第1章:投票率の現状

この章では、投票率が低下している背景を解説し、選挙に対する一般市民の関心の薄れについて触れています。また、投票率に関連する社会的要因や地理的要因についても紹介されます。

第2章:投票所の位置と投票参加

投票所のアクセスの良さが投票率にどのように影響するのかを分析しています。データを用いて、地点ごとの投票参加率の差異を示し、近隣に投票所があることが参加を促進することを裏付けています。

第3章:投票日・天候の影響

投票日が晴れているか雨であるかといった天候的要素が、投票参加に与える影響を扱っています。調査結果から、悪天候が投票率低下にどう結びつくのかを具体的に示しており、普段は見逃されがちな要因に光を当てています。

第4章:啓発活動の効果

市民に投票を呼びかける啓発活動が、実際に投票率向上に寄与するのか、データを使いながら検証しています。特定のメッセージや活動が効果的である場合とそうでない場合を分析し、成功する要因を探ります。

第5章:地方と都市の投票率比較

議員定数の不均衡が、なぜ地方で投票率が高いのかについて研究されています。地方選挙の特性や有権者の参加意識に関する考察が展開され、地方自治体のアプローチが投票活動に与える影響を示しています。

第6章:新しい政党の影響

新たに登場した政党が投票率に与える影響について掘り下げています。特に、新党が注目を集めることで、政治への関心が高まるケースを具体的に示し、変化する政治環境の中での有権者の反応を論じています。

第7章:女性議員の増加と投票率

女性議員の増加が投票行動に与える影響を論じた章です。研究結果を交えながら、女性の政治参加がもたらす社会的意義や納税者の意識の変化について考察します。

第8章:投票率の測定と解析

投票率を測るための方法論やデータ解析のプロセスが詳述されています。どのようにデータを収集し、投票行動を正確に測定するのか、実務家や研究者にとっての参考になる内容です。

第9章:投票率向上の政策的帰結

この章では、投票率が向上することで期待できる政治的な変化について議論されています。投票行動が政治的決定に与える影響や、より民主的な社会の実現についてのビジョンが提示されています。

まとめの一言

松林哲也氏の「何が投票率を高めるのか」は、私たちが政治参加を促進するための貴重な示唆に富んだ一冊です。

投票行動を見直し、社会に対する意識を高めるきっかけになること間違いなしです‼


何が投票率を高めるのか (単行本) [ 松林 哲也 ]